福井で経験した事

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楊 h曄
(ヨウ チィイェ)

 2005年10月に福井大学に短期留学生として1年間日本に来ました。その1年の間に隣の「さくら整骨院」のラブラドールの姿を見る事がよくありました。その犬はクリーム色の毛に覆われていて、とてもでかいです。僕はその犬が好きになりました。じつは、上海のぼくの家で一匹の犬を飼っていましたが、日本に来る前に、病気でなくなりました。ぼくの犬はそのラブラドールとだいたい同じサイズの犬でした。なくなってから、ずっと僕の記憶に残っています。忘れられないのです。そのラブラドールの姿を見ると、自分の犬の様子が思い出されて、ちょっと悲しかったです。

 今回の留学は2007年から始まりました。また前回留学した時と同じ所に住むことになりました。再びその犬が窓から、見えました。ある日、僕は「そうだ、悲しんでばかりいないで、あの犬と散歩したら、いいんじゃない。」と思いつきました。決心してから、整骨院の先生に会いに行きました。

 「あのう、すみません!隣に住んでいる楊と申します。」
 「こんにちは、知ってるよ。どうしたんや。」
 「実は、僕はでかい犬が大好きなので、先生のところの犬の散歩をさせていただきたいんですが。」
 「いいけどお、一応うちのお母さんに聞いてみるわ。ありがとの。」

 そして、私たちは、携帯電話の番号を交換しました。どきどきしながら、家に帰って返事を待ちました。

 その週の土曜日の朝、先生から待ちに待った電話が来て、隣の犬「ラブ」の散歩に誘われました。そのとき、先生から犬の正しい散歩の仕方を教えてもらいました。例えば、もし電柱におしっこをしたら、かならず、頭を強く叩くとか;命令によく従ったら、優しく褒めるとか。その日から今まで僕はいつも先生に教えてもらった通りに一人で、「ラブ」の散歩をしています。

 予想外だったのは、「ラブ」の散歩をした後に先生のお母さんが、お菓子をくださったことです。その後もずっと食べ物をもらい続けています。お菓子、カレー丼、お好み焼きとかたくさんもらいました。散歩させてもらえるだけでもうれしいのに、食べ物ももらえるなんて、僕も一層嬉しくなりました。「ラブ」にもさらに愛情を感じるようになりました。

 そのうち、先生のお母さんによく「お茶でも飲んでかんか」と誘われるようになりました。コーヒーを飲みながら、二人でいろいろな話をします。内容もさまざまです。漢字の話とか、中国と日本の文化の違いの話とか、昔の日中戦争の話とか。いろいろなことを話し合いました。話している時、よく分からない場合もあります。話を続けるために、辞書を引かないといけません。こうして僕は先生のお母さんから多くの日本語を勉強することが出来ましたし、お母さんも僕から中国について勉強することができました。それはただ言葉の勉強だけではありません。お互いの違う文化の交流と呼んでいいものだと思います。

 お母さんとの付き合いはまだいくつがあります。例えば僕がテニスで膝を捻挫したときに湿布と包帯をたっぷりもらったこととか、「ラブ」に壊された炊飯器を一緒に修理したこととか、高い所に手が届かないお母さんのためにはしごに登ったこととか。

 普通、人と人はこんなに打ち解けて付き合うことができるでしょうか。まして、国や世代が違えば、できないんじゃないでしょうか?!でも、できるんですよ。

 今、全世界の状況を見ると怖いことや残酷なことがいろいろあります。ほかの国を侵略したり、ミサイルの発射テストをしたり、怖くて、怖くて考えるのも嫌になります。でも、考えないようにしても、どうしても中国と日本の間にある問題が気になります。一つは今の中国の環境問題です。中国は日本に厳しく批判されました。でも、昔の日本が発展したとき同じような環境問題もあったのではないかと思います。アメリカの発展がアフリカ人と関係がないでしょうか?!ヨーロッパの発展が海賊と関係がないでしょうか?!人と同じように、国も明るい面と暗い面があります。ほかの国の暗い面だけを見るのはやめませんか。一番重要なのは以前にやったことじゃなくて、一番重要なのは今と将来にみんなが一緒に出来ることは何だろうかということです。

 国籍にかかわらず、人種にかかわらず、地球のために、人類の未来にために、世界の平和のために、みんな協力して頑張りましょう!ぼくたちはかならず、仲良くなれます。

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